ヨーロッパは一つ? アジアは一つひとつ?

岡倉天心は「アジアは一つなり」と喝破したが、私は昔から「さにあらず。アジアは一つひとつなり」と思ってきた。みなさんはどう思われますか?

国旗で言うならアジアの国々では「バングラデシュ以東の国旗には必ず赤が入る」「タイ以東の国旗には緑がない」「バングラデシュ以西の国旗には緑が多い」といった特徴はある。

しかし、アジアには、民主国家もあれば一党独裁の国もある、王政もあれば共和制もある、高度に発展した国もあれば貧困から抜け出せない国もある、通貨は全部が個別であり、勝手に核兵器を保有している国もあれば実直にNPT体制を堅持している国もある、法治国家もあれば法を軽視している国もある、外交方針も点でバラバラ、互いに戦火を交えた国もある、歴史認識にもばらつきがある、仏教国・カトリック教徒の多い国・イスラムの国など宗教的にも多彩だ、言語の共通性も少ない…やはり、「アジアは一つひとつなり」ではないか。

もちろん、いつの日か価値観を共有し、協調と統合による平和な理想郷大アジアが創生されることに私はなんら反対しないが、現実を凝視するなら、率直に言ってそれは「絵空事」というほかない。

8月、私は北イタリアを訪ねる機会があった。この地域は世界有数の文化地帯ゆえ、期待も大きかったし、成果もいろいろあった。中でも、「2000年前に造られた円形劇場で、生誕200年のヴェルディが作曲した歌劇アイーダを、ヴェローナで初演されてちょうど100年目の日に、13列目の真ん中で鑑賞できたというのは、やや大げさかもしれないが、わが人生の一大祝い事」であった。ちなみに、このオペラ9月に3日間、東京ドームで行われるという巨大なポスターが地下鉄の駅に貼ってあった。S席7万円! 今回、私はその数分の1の入場料で最高の雰囲気を味わえたのである。

余談はそこまでとし、以下、今回の旅行と国旗につき、少しずつお伝えできればと思っている。

その第一が「ヨーロッパは一つ」か、である。7月1日にクロアチアのEU加盟が認められ、これで28カ国となった。その「国旗」は青地に、環状に並んだ12の星。「ヨーロッパ諸国の国旗に星がない」ということからの採用である。これで、どこの国の国旗も連想させないデザインになった。

逆に、その後、ボスニア・ヘルツェゴビアとコソボの両国が、EUとの連携・連帯・加盟への希望を国旗に表現して託した。ヨーロッパの国旗で星が描かれているのはほかには、スロベニアの国旗の紋章の中に六稜星が3つあるだけ。さらにはモルダビアの国旗の紋章にも八稜星一つがあるが、この国は旧ソ連邦構成国なので、ヨーロッパとしては勘定しないのが普通だ。


EU(欧州連合)の旗

コソボの国旗

スロベニアの国旗
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