ロシアの連邦構成「州」の旗

アメリカに州旗があるようにロシアにもあります。ロシアは83の連邦構成機関(州や自治共和国など)に分かれています。サハリン、ハバロフスク、サハ、ヤクート、カムチャツカ、イルクーツク、タタール、ユダヤ人…といった名称です。

3月にモスクワに行ったとき、クレムリンに近い上院(連邦院)のロビーにその連邦構成機関行政府旗がきれいに並んでいるのを見ました。同行した、テレビでもよく知られている某先生、世界の各国旗と勘違いされたようすで、「日の丸がないのはけしからん」。
「トノ、お待ちください。この中に日の丸があってはいけないのです」と押しとどめました。

北方領土にはサハリン州の旗が翻っています。青地にサハリン島と全千島、そして北方4島を白のシルエットにして横に並べたデザインです。その返還を強く求めている私としては、小欄で紹介するのも気が進みませんので、図は省きますが、こうやって各州の旗をそろえて見ると、ロシア国旗(白青赤の横三色旗)の影響と、共産主義政権時代の赤旗の影響が残っているのかなという気がします。

ちなみに、ロシアの上院議員というのは各連邦構成機関の行政府と立法府から1名ずつ選出される166の議員で構成されています。直接選挙で選ばれるのではありません。

アレクサンドル・ベルホフスキー上院議員は、ユダヤ系の実業家ですが、北方領土の択捉島(日本最大の島)で水産加工と土木建設業を行うギドロストロイ社の創業者として成功し、現在はサハリン州選出の議員としてモスクワで活動しているようです。

1996年、まだ同社が択捉島で活躍し始めたころ、私は北方領土ビザなし訪問で学者チームとして同島を訪れました。それまで同社の加工工場は非公開でしたが、袴田茂樹教授がベルホフスキー社長と朝からウォツカを飲みながら語り合い、午後4時になって、限定15人にだけ工場を見せるといって、初めて日本人に公開したことがあります。

肝腎の袴田教授はもうかなり酩酊していたようですが、おかげで団長の私は素面(しらふ)で工場見学ができました。今でも袴田先生には申し訳なく、感謝しています。案内してくれたベルホフスキー社長に、「真空パックの魚介類はどこに売るのか」と質したところ、「日本が引き取ってくれないのはつらいが、あなたは私がユダヤ系であることに気づかないのか。そのシンジケートみたいなものでロシア国内よりフランスが多く買ってくれる」と言っていたのが忘れられない。

その後も数回、同島を訪れているが、工場はどんどん発展しており、択捉島は「ギドロの城下町」といわれるまでになった。それでも、日本で言うなら所詮同社は中企業。4島の返還を強く求めることにかわりはない。


モスクワのロシア上院ロビーに並ぶ連邦構成行政府の旗
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