他人のそら似? – ナチスと津軽家①

数年前のことです。故郷・秋田での法事に向かうついでに、4月末の連休を利用して、弘前城(青森県)を見物しました。すると、私の2、3人前のところで、いかにもユダヤ系という感じで「前期高齢者」かなという世代のアメリカ人紳士が、受付で渡された「卍」が印刷された案内書を手に、真っ青になって、「なぜだ、どうしてこの標なんだ」と受付嬢に食い下がっているのです。


スワスティカをモチーフにしたドイツの紋章

スワスティカを描いたモザイクの床装飾
6世紀ころに建造されたイタリアのサンヴィターレ寺院

刺青のように描かれたスワスティカ
テラコッタ鐘形小像(土偶鈴)。
ギリシャ出土。前700年頃。
ルーブル美術館所蔵。

下のマーク、これだけを見れば、一瞬「どきっ!」としますが、ナチスとは関係ありません。仏性のしるし、「卍(まんじ)」です。「卍」は、インドに由来する、仏教のマークです。徳島の蜂須賀家、津軽藩の家紋でもあります。日本の地図では、寺院の位置を示す印です。ナチスのマークとは、先端が逆周り。それでも、廃止しなくてはいけないでしょうか。ナチスとは無関係であることをもっとわかるように説明しましょう。


スワスティカをモチーフにしたドイツの紋章

津軽家の家紋

以前、この卍と、逆回りのスワスティカ(ハーケンクロイツ)のことを私のブログで書いたところ、ドイツ問題、ドイツ語がご専門でドイツ滞在が長く、尊敬する女性ジャーナリストSさんから、コメントが寄せられました。両者の違いをしっかり説明すべきだという点で、私と同じ意見のようです。専門家に同意を得るって、本当に嬉しいことですよね。

まずは、以下に、ご紹介します。

先生のブログ、大変興味深く拝見いたしました。

そう言えば、卍を見間違えて「なぜハーケンクロイツここにあるの?」と尋ねられたことが1~2回、ドイツでありました、お寺の写真かなにかを友達に見せてる時でした。

「知らないの?これは仏教のマークよ」の一言で納得してもらえましたけれども。

私は現地人化して多少強く(図々しく?)なってますので、「卍とハーケンクロイツは別物なのだから、違うって言えばそれでいいのに。ヘンに気を回しすぎなのでは?」とストレートに考えてしまいますが、日本人には繊細な神経細やかな方が多いので、論争を避けようとあれこれ余計に心配なさるのでしょうね。。。。

ただ、そういう日本的な気の使い方、わたくしは「日本人の美質」だと思いますが、卍は、欧米では誤解されることも多いので、先生の仰るように、違うのだということを、その都度、現地で理解してもらえるように努力するほうがいいと思います。そのほうが建設的ですよね。

まずは、ナチスのしるしと、日本の寺院マークは鉤十字の向きが逆であることをご確認ください。その上で、インドに淵源を発するこの卍のしるしは廃止すべきでしょうか、ご一緒に考えましょう。

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