似てしまったデザイン – イスラエルの国旗とカゴメの商標

他方、ケチャップやジュースの大手メーカー・カゴメは、1899(明治32)年、蟹江一太郎(1875~1971)によって創業された会社で、トマトを日本で始めて製品化した老舗です。


イスラエルの国旗

今ではみられなくなったカゴメの商標。
同社のHPより。

50年ほど前、私は手紙で同社に問い合わせたところ、創業者の伝記とともに、丁寧に商標の経緯を教えてくださいました。一太郎は1875(明治8)年、現在の東海市名和町の農家の家の生まれ。まじめで働き者で、陸軍に入隊しても熱心に勤め、感心した上官から、軍隊内で使われ始めていた西洋野菜の栽培を勧められました。そこで、一太郎は除隊後、1899(明治32)年に名古屋農業試験場の佐藤杉右衛門からトマトの種子を譲り受けてトマトの栽培を開始し、以後、トマト栽培に明け暮れ、苦戦の末、なんとかトマトは栽培できるようになりましたが、これを臭いという人が多く、日本人にとってなじみの薄いためなかなか売れ行きが伸びません。

しかし、西洋ではトマトはソースとしてよく使われていることを聞き,さっそくホテルから取り寄せ,失敗を繰り返した末、トマトソースやトマトケチャップのメーカーとして成功しました。

蟹江は上官の助言に感謝し、その恩を忘れないために陸軍の標章である五芒星(五稜星)を商標として使おうと考えたのですが、それでは陸軍の標章と区別がつかなくなるといわれ、六芒星に改変したのですが「星型は認められない」という理由で認可がおりませんでした。三角形を二つ組み合わせて六芒星とし、トマトの籠を編んだときの目(籠目)印であるということで商標登録が認められたのです。

1963(昭和38)年には、社名をカゴメとし、商標は籠目のついたトマトのマークとなりまた。しかし、「ユダヤのマーク誤解されることから1983(昭和58)年にKAGOMEという現在の商標になりました」(同社広報室から7月18日に電話で取材)。

今も昔も同社の広報室はやさしかったです。猛暑のきょう、昼にカゴメの野菜ジュースを1本飲むことにしよう。

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