山を描いた国旗③ エクアドルのチンボラソ火山

南米エクアドルの国旗には同国の最高峰(海抜6,310 m)であるチンボラソ火山が登場する。これは南米でも屈指の高山であり、これより北にはこの山より標高が高い山はない。このため、19世紀初頭まで、地上最高の標高を持つ山だと考えられており、17世紀から19世紀にかけて、多くの人たちが登頂に挑戦している。


エクアドルの国旗

エクアドルの国章

エクアドルのチンボラソ火山

1802年に、植物学者で地理学者アレクサンダー・フォン・フンボルト(1759~1869)がフランス人のエメ・ボンプラン、エクアドル人のカルロス・モントゥーファルらと共に挑戦、している。彼らは5,875m地点まで到達したが、高山病にかかった同行者が続出したため引き返している。これは、当時のヨーロッパ人が到達した最も高い地点である。

最終的にこの山は、1880年、イギリスのエドワード・ウィンパーと弟のルイス、さらにジーン・アントワーヌ・カレルらによって初登頂されたとされる。しかし、この登頂を疑う者もいた。しかし、同じ年にエクアドルのダビット・ベルトランとフランシスコ・カンパーナとが登頂に成功しているのは明らかだ。

山頂の位置はアンデス山脈の北部、首都キトから南南西におよそ150km。チンボラソ山の山頂は南緯1度27分50秒、西経78度48分54秒にあるため、その頂上は地球の中心から最も遠い位置にある。

海抜で表示されている教科書や地図帳では世界一高い山はエベレスト(海抜8,848m)であるが、地球は赤道付近が膨らんでおり、北緯28度にあるエベレストよりも標高で2,538m劣るチンボラソ山のほうが、地球の中心からの距離では優っているのである。すなわち、地球の中心からではチンボラソ山が約6,384.4km、エベレスト山が6,382.3kmであり、チンボラソ山の方が約2.1km上回っている。

海抜による高度でも、チンボラソ山はこの山より北のアメリカ大陸で最高峰だ。火山であることは明らかだが、直近の噴火は西暦400~700年の間にあったとみられている。

ところで、地球の温暖化が進捗すれば、国旗にも描かれている山頂付近の万年雪や雪渓が融けて後退する。チンボラソ山をはじめ、アンデス山脈の氷河の溶ける量は近年、加速度的に増えており、エクアドルのキト、ペルーのリマ、ボリビアのラパスは、氷河の溶解した水源に依存しているので、この3つの首都はそう遠くないうちに深刻な水問題を抱えるのではないかと心配されている。

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