新法王はアルゼンチンの出身 フランシスコ1世

ベネディクト16世の生前退位(約600年ぶり)によるコンクラーベ(法王選出会議)は5回目の投票でアルゼンチン出身(イタリア系移民)のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)を、第266代法王(教皇)に選出し、新法王はフランチシスコ1世(13アッシジの世紀の聖フランシスコにちなむ名前)と名乗ることが発表された。南米出身の法王は初めて、また、日本にキリスト教を伝えた「イエズス会」所属の法王も初めて。


初の南米出身の法王選出に、サンピエトロ大聖堂前広場ではアルゼンチンの国旗が翻った。(F2TVの映像から)

アルゼンチンの国旗

バチカンの国旗

広場には、テレビの報道で見る限り、アルゼンチン、コロンビア、ベネズエラ、アメリカ、東チモール、フィリピンなどの国旗を掲げる信者たちがいた。オリンピックではあるまいし…、宗教は宗教であっても、自国出身の枢機卿の当選を応援しようというのか、世界各地から来ていることを示そうとしているのか、映像を見ながら、いろいろ考えてしまった。


新法王フランチェスコ1世

5回目の投票で結着し、待ちにまった白煙が

ところで、アルゼンチンはこのところ、さまざまな形で注目されている。フォークランド諸島の帰属を巡るイギリスとの対立については小欄で触れたし、9月3日には首都ブエノスアイレスで開かれるIOC(国際オリンピック委員会)総会で2020年のオリンピック競技大会開催都市が決定される。それに加えてこの新法王の選出。おそらく国民の意識の中に何らかの大きな影響があるのではあるましか。それが同国が抱える経済・財政の苦境にどう転換されるか、目を離せないように思う。

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