教皇ベネディクト16世辞任で注目されるバチカン

あと数日で、ローマ教皇(法王)ベネディクト16世(85)が退位される。時代が激動する中で、法王といえども高齢化に耐えられないということで辞意を表明したということは600年ぶりだとか。これは驚くよりも、むしろ、きちんと後継者に譲位するというのは喜ばしいことではないか。


バチカンの国旗

後任を選出する法王選挙会(コンクラーベ)は28月日の法王退位後、規定により3月15~20日の間に始まると見られる。コンクラーベには80歳未満の枢機卿117人が投票し、3分の2以上の票を集めた人物が出るまで投票を繰り返し、新法王が選出されると礼拝堂の煙突から白煙が上がる(ソ連では黒煙)。

歴代のローマ法王はイタリア人が多い。ただ、ヨハネ・パウロ2世はポーランドのベネディクト16世はドイツの出身であり、イタリア人以外の法王が2代続いたため、「次はイタリアから」との見方もあり、そうした流れになれば、ミラノのスコラ大司教(71)が有力か。

他方、この際、イタリア出身が同のという前に、欧州以外の出身者からの選出を期待する声も強い。世界の信者約12億人中、欧州に急住する人は約23%にとどまる一方、中南米には40%超中しており、アフリカにも15%もがいるからだ。その点が重視される場合には、ガーナのトゥルクソン枢機卿(64)が有力だと見られているようだ。

ただ、ベネディクト16世は人工中絶や同性婚を認めないというカトリックの伝統的な価値観を重視してきた。また、有権者である枢機卿中、67人が同法王に任命されており、既に自身の保守路線継承への布石が打たれているとの見方もある。「News Week」ではさらに多くの候補者を写真入で並べているが、総数激戦、選挙法が特殊という制度であるから、外部の予想はしてもあまり意味はなさそうだ。

現代の法王には、①世界中で進む「カトリック離れ」の傾向、②法王庁内の内部文書流出事件で明らかになった内部の権力闘争、③聖職者登用における男女差別、④聖職者による未成年者への性的虐待事件の多発、⑤聖職者が独身であるべきかどうか、⑥法王や枢機卿の高齢化などカトリック教会が直面する重要課題が並んでいる。

ところで、バチカンの国旗は、1825年、法王レオ12世が制定したもの。バチカン市国はイタリアとの複雑な関係を続けた末、ムッソリーニとの交渉の末、1929年2月のラテラノ協約によって成立した。国旗は、同年7月に発効した同国憲法第19条で、付図をともなって国旗が規定されている。

言わずと知れた世界で最も面積の小さい独立国。面積0.44平方キロというのは日本の皇居の40%にも満たない。カトリックの総本山として、聖ピエトロ大寺院、教皇のいる宮殿、宝物を納めた美術館などから成る。

国旗は黄色と白は“The banner of Godfrey of Jerusalem(エルサレムの神旗)”からとったのだという説と、1808年以来、教皇庁の衛兵の帽章に用いられていたものが国旗にとり入れられたものだという説の2つがある。

鍵は『新約聖書』マタイ伝16章の「あなたはペテロである。そして私はこの岩に教会を建てよう。…私はあなたに天国の鍵を授けよう」に由来し、〈ペテロの鍵〉と呼ばれている。

教皇冠の3つの輪は、現世・霊界・煉獄をつかさどる表徴で、教皇の司祭権・司牧権・教導権を表わしている。

特殊なデザインのため、各国の国旗の縦横比を統一する場合でも、正方形のままで使用される。

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