抗議の意思を国旗で – チベット亡命政権の支持者たち

インド北部ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府は1月30日、ニューデリーで中国政府によるチベット人弾圧を非難し、国際社会に支援を求める大規模集会を開いた。


チベットの「国」旗

1月31日付産経新聞でニューデリーの岩田智雄特派員がその様子を次のように伝えている。

中国・チベット自治区では29日、自治区政府主席に強硬派とされるロサン・ジャムカン氏が選出され、習近平指導部のチベット政策の転換を期待していた亡命人社会に、失望感が広がる中での開催となった。


1月30日、ニューデリーで行われたチベット人たちの抗議集会(産経新聞より)

亡命チベット人のほかインド政府のアドバニ元副首相ら約4500人が出席した。亡命政府によれば、中国では2009年以来、弾圧に抗議し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の帰還を求める住民99人が焼身自殺を図った。亡命政府のロブサン・センゲ首相は演説で、「中国政府は軍事的冒険主義や国民主義を高めている」と指摘し、「インドや日本、フィリピン、ベトナムなども神経質になっている」と訴えた。

PTI通信によると、ロサン・ジャムカン主席は29日、「ダライ・ラマ一派と断固戦うため、強い政治的立場を取り、行動していく」と表明した。習指導部下の中国ではすでに、チベット仏教の僧侶らが自殺教唆容疑で逮捕されるなど、取り締まりの強化が図られている。

亡命政府のセンゲ首相は産経新聞に、「中国政府が政策を変更する望みはほとんどない。強硬派の自治区政府主席のもとで、焼身自殺者は増えるかもしれない」と述べた。

中国がいかなる思想により、どんなに立派なことを言っても、チベットからこれだけ多くの人が難民として脱出し、チベットでこれだけ多くの僧侶らが焼身自殺を決行するということには、国際社会に対し中国にしかと説明していただくほかない。

そのチベット、かつては間違いなく独立国だった。そしてその国旗の制定に、日本人僧・青木文教が関わったことも知られている。

北京五輪を前にした2008年初夏、長野市で聖火リレーが行われた。市内を埋め尽くさんばかりの中国の「五星紅旗」。そしてわずかながらではあるが、その年3月にあった中国によるチベットへの武力制圧に抗議するチベットの旗。

前にも書いたが、あの時に中国は「五星紅旗」と「日の丸」と、そして「五輪旗」を同じくらいの数、持ち込むことがどうしてできなかったのだろうと悔やむ。私が組織委で正式に国旗を担当したのは東京(1964)と長野(1998)の両五輪。北京五輪に関わっていたら、こんな独善的なことはしなかった。

中国の政権に時々見られる不寛容というかナイーブというか、不器用さのようなものが、チベットも問題ではいつもストレートに出てくる。まずは、中国に対し、チベットの人たちの人権が守られる大国らしい対応を求めたい。

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