教科書で見る国旗Ⅳ – 国が合併して国旗も合体した英国旗

戦前の教科書は実に各国の国旗をきちんと紹介しています。ここでは、その中からイギリスの国旗についての説明を紹介してみます。まず、前項で省略した部分です。


イングランドの旗
(聖ジョージの十字旗)

スコットランドの旗
(聖アンドリューの十字旗)

アイルランドの旗
(聖パトリックの十字旗)

戦前の教科書「修身」の6年生用の教科書からです。

イギリスの国旗は、今日の形式を具うるまでに幾多の変化を重ねたるものなり。元来イギリスは、イングランド・スコットランド・アイスランド三国の合同して成れる国家にして、先ずイングランドとスコットランドと合するや、白地に赤十字の徽章ある前者の国旗と、藍地に斜白十字の徽章ある後者の国旗とを合して一旗となし、さらにアイルランドの加わるに及び、白地に斜赤十字の徽章あるその国旗を合わせて、ついに今日の如き形式をなすに至れり。

1800年、アイルランドが連合王国(イギリス)に加わったとき、聖パトリックの旗が聖アンドリューの旗にかぶさっては、スコットランドが「行方不明」になるため、アイルランドの旗を左回りに少しずらしたのでした。このために、「ユニオンジャック」には、上下が出来ることになったのです。

タンガニーカとザンジバルが合併してタンザニアとなり、両国旗を合体したようなデザインの国旗のことについてはあらためてご紹介します。

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