スペインからの独立を求めるカタルーニャ地方

スペインは17の州と2つの自治都市から成る王国。国旗は国土(黄色)を血(赤)で守りぬくという決意を表わすとされる。


1981年に改訂された、現在のスペイン国旗

この国が王国であることを紋章の上の王冠が示している。国章の両側の柱は「ヘラクレスの柱」といい、巻き付いた帯にはラテン語でPLUS ULTRA(PLVS VLTRA、「より彼方へ」と記されている。15世紀末の新大陸発見以前は「Non Plus Ultra(ここは世界の果てである)」と記されていた。

近代、フランシス・フランコ(1892~1975)による独裁(総統)の時代(1938~75)には鷲の紋章であった。


1939年以来のフランコ独裁政権の時代のスペイン国旗。
東京オリンピックにもこの旗で参加した。

昨今特に注目すべきはこれらの国旗の紋章に出てくる黄地に4本の赤い筋。これがカタルーニャ自治州の旗であり、同自治州に縁のあるアラゴン、バレアレス諸島、バレンシアの計4つの自治州の旗の基本となっていること。


アラゴン州

バレアレス諸島州

カタルーニャ州

バレンシア州

カタルーニャ自治州の中心都市であるバルセロナで、歴史的な記念日である9月11日、150~200万人もによる、独立を求めるデモが行われ、州旗の竿側に青い三角形と白い星から成る、カタルーニャの「国旗」が振られた。

の後もカタルーニャ自治州では、独立を求める人たちの動きが活発になっている。海外のテレビ番組でも差簡易報道されているが、事情に詳しい、田中龍作さんという方のHPを紹介させていただきたい。


人で埋め尽くされた、エシャンプラ地区(Eixample)。子どもから老人まで参加している。撮影:アルフォンソ・モンレアル氏(田中氏の知人)

スペイン・バルセロナで、150万人のデモが沸き起こった。「カタルーニャに自由を!」「カタルーニャはヨーロッパの新しい国」……独立を願うプラカードが踊った。

9月11日はカタルーニャが18世紀にスペイン軍にやぶれた「カタルーニャの日」だ。その日に合わせて、スペインからの独立を願う人々がバルセロナに駆けつけた。その数は150万人(警察発表、主催者発表は200万)にものぼった。

各地からのチャーターバスは1,000台以上にも及んだ。この数字はカタルーニャ州史上初の規模だという。市内の中心にある「カタルーニャ広場」は、デモ開始2時間前から独立旗を掲げた人々で溢れた。間もなく大通りは人で埋め尽くされ交通は麻痺した。

カタルーニャ自治州はスペインの東に位置する。4つの県から構成され独自の言語と文化を持つ。ジョージ・オーウェルの「カタロニア戦記」などでも有名な過酷な内戦を経験した。フランコ独裁政権時代には公共でのカタルーニャ語の使用を禁止されるなど、辛い過去を持つ。

学校教育でカタルーニャ語を禁止されていた60~70代は、話すことは出来るが書く事に不自由を覚える人も多い。

カタルーニャ州では以前から独立を訴える動きはあった。最近はさまざまなデモの場面で独立旗が目立つようになっていたが、今月に入り、世論調査で独立を願う人が初めて過半数を超えた。背景にあるのはユーロ危機の影響を受けたスペインの大不況と言われている。

写真提供者のアルフォンソ・モンレアル氏は次のように強調する―

「カタルーニャの納税額は国からの地方交付税を大きく上回っている。バスク自治州のように、州で徴収した分は地元で使えるようにすべきだ。中央政府がそれを受け入れないなら、独立するまで」。

こうした世論を盾に、アルトゥール・マス州首相 は、今月20日にスペイン中央政府へ税徴収の裁量拡大を求めて交渉を行う予定だ。財政の柱を担っているカタルーニャ州が抜けるとなれば、スペインは窮地に立たされるだろう。

中央政府の心情を見透かすかの様に、BBCはトップニュースでデモを取り上げた。だがスペイン国営放送では、5番目の扱いだった。国営放送はどこもデモを過小評価するようだ。


通常のカタルーニャ旗(赤と黄色)に青い星があるのが、独立旗だ。撮影:アルフォンソ・モンレアル氏
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