国旗の南十字星はブラジルとオーストラリアで逆


国旗は上から、ブラジル、オーストラリア、ポルトガル。
拙著『世界の国旗(最新版)』(学習研究社)より。

ブラジルとオーストラリアの国旗の南十字星では、星の配置が違う。上の図で一目瞭然だ。

つまり、小さな星(3.6等星)の位置が左右逆なのである。

ブラジルの国旗の星座は1822年9月7日にポルトガルから独立したその夜、天空に輝いた星空を描いたものとなっている。

27個の星は26の州と首都ブラジリアを表わす。

配列は、アメリカの「星条旗」のように星をデザイン的に並べたものではなく、宇宙をそのまま写し取ったデザインなのである。

ところが、オーストラリアと違うのは、オーストラリアの南十字星は、地上から見たままを描いたもので、ブラジルの星座は、天球儀、つまり、「夜空を神様が1つに見た場合」を球状にしたかたちで描いたものなのである。このために、結果として左右が違ってくる。

しかし、ブラジルでは正式はこの部分を裏表縫い合わせて、「秩序と発展」という国標と星座が逆にならないように、国旗を製造するようにしている。

ところで、この天球儀、実は、ブラジルの旧宗主国・ポルトガルの国旗にも大きく描かれている。

大航海時代、ポルトガルやスペインが天球儀を活用していたことに由来するのはいうまでもない。

この南十字星の「逆」の話のように、国旗の相互関係や違いに気づくのは実に楽しいこと。筆者は、中学生の頃、この南十字星の描き方の違いを「発見」して、国旗の研究にはまったようなものだ。

長じて、1964年の東京五輪のための国旗を準備していたとき、当時、世界の国旗の製造については最大のメーカーであった日本信号旗の尾花良二さんという学者のような方(後、日本国連協会に転進)に、この話をしたところ、「気づかなかった」とえらく感心されたことがある。

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