国旗のある風景48 – 祝祭日の国旗掲揚

世田谷区深沢の観世元信(1931~)邸には祭日にはいつも国旗が掲げられる。いわずとしれた能楽師で、能楽観世流囃子方大鼓方十六世宗家である。実にさわやかで、風格がある門前という印象だ。

ご注目いただきたいのは旗竿の基点となっている留め金。これで簡単に立てることができるのだ。

祭日、祝祭日、国民の祝日は昔は旗日といって、各自がそのいわれに思いをいたし、各家庭では「日の丸」を掲げていたものだ。昔と言っても、我が家の場合は高校2年の時まで、それは末っ子である私の役割だった。

それがいまでは、神社、公共施設、そして交通機関のほかにはめったに国旗を掲揚するところはなくなった。我が家の付近でも、祝日に国旗を掲揚しているのは、この観世邸の並びにもう一軒、そして東横線都立大学駅前の写真屋さんくらいである。目に付く国旗と言えばイタリア料理のレストラン(リストランテ、トラッテリア)であることを示すイタリアの国旗がダントツ、ついでフランスの国旗である。

今の日本は、自国の国旗よりも外国の国旗がはるかに多く掲揚されている、世界で稀な国ではあるまいか。

もっとも、先日訪れた愛知県西尾市では市民憲章に「祭日には国旗を掲げよう」という一項があったが、はたして市民はこの顕彰を遵守しているのだろうか。

また、去る9月11日の小欄で、石川県中能登町が国旗の購入を町費から支援して、祝祭日の国旗掲揚を勧奨しているが、さて、きょうの文化の日、どんな状況だったのだろうか。

私は83カ国を訪問したが、建国記念日はともかく、祝祭日に国旗を掲げる習慣が各国にあるか、実はよく判らない。西尾市や中能登町などでの国旗掲揚状況、諸外国での習慣をご存知の方、ご教示いただきたい。

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