スコットランドで2014年末までに独立の可否問う住民投票

10月17日の各紙に拠れば、キャメロン英首相とスコットランド自治政府のサモンド首席大臣(首相)は15日、スコットランドの古都エディンバラで会談しスコットランド独立の是非を問う住民投票を再来年(2014)年末までに実施することで合意した。イギリスで自治政府の独立を問う住民投票は初。

イギリス(英国)はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域で構成されている。スコットランドは1707年にイングランドと連合し、議会は英国議会に一本化。その後、自治意識が高まり、1999年に独自の議会と自治政府が発足した。

昨年のスコットランド議会選で大勝したスコットランド民族党(SNP)は、英国からの分離独立を求めて住民投票の実施を主張。英政府と話し合いが続いてきたが、15日に両者がスコットランドで会談し、合意した。

合意によると、①住民投票は14年末までに行う②設問は単純に独立の「賛成」「反対」を問う③16歳以上の男女に投票権を与える――など。来年2月に選挙委員会が準備を始め、同10月に投票法案をスコットランド議会に提出。サモンド首相は14年秋の実施を目指している。

今回の合意で住民投票の実施は確定するが、最近の世論調査によると、スコットランドでは独立反対派が賛成派を上回り、独立支持派は3~4割にとどまる。独立慎重派を取り込むため、自治政府内では「経済的自立」を選択肢に加える案も浮上し、交渉で民族党は、「賛成」「反対」以外に「英国に帰属しながらより広範な自治権を持つ」などより幅広い問いかけを行いたい意向だったが、ロンドン政府側は質問を単純化することを求めて譲らず、独立の賛否だけを問うべきだとする英政府案にまとまった。

英国旗は1606年のイングランドとスコットランドの同君連合が成ったときに白地に赤い十字(聖ジョージ)のイングランドの国旗と青地に白の斜め十字(聖アンドリューズ)の旗が合わさって出来たのが、「ユニオンジャック(統合された旗)」の始まり(1603年にデザインは出来ていた)。

もし、英国王室での異変や経済的大混乱等により、今後の世論の変化があれば、もしかして2015年にはイギリスの国旗が変わるかもしれないというのは杞憂にすぎないのだろか。

一方、現行の「ユニオンジャック」にはウェールズが反映されていないということで、ウェールズの一部からは、現状の国歌構成でも国旗を変えるべきだという声がある。詳細は近く紹介したい。

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