似た国旗、違う国 – アイルランドとコートジボアール

コートジボワールの国旗

アイルランドは古くケルト人の国でしたが、12世紀にイングランドに征服され、1800年にはついに併合されて、イギリスの1姉妹地方になりました。

しかし、この後、独立闘争が繰り返され、1848年、フランスの二月革命に刺激を受けた革命委員会は、若い指導者トマス・フランシス・メガーがパリから持ち帰ったこの三色旗を国旗にすると発表、この旗がフランスの三色旗と並んで掲げられたりしました。

また一般には、緑の地にアイルランドのハープを描いた旗も用いられていました。

第一次世界大戦直前の1916年に起こった大反乱の時には、再びこの三色旗が大々的に用いられ、1921年、北部6州を除く26州がイギリスの自治領になり、1932年にはイギリス連邦内の共和国になりましたが、第2次世界大戦後の1949年に連邦を離脱して、単独の共和国になったのです。

緑はこの国の古い要素を、オレンジは新しい要素を、白は両者の結合と友愛を表わし、旧教徒と新教徒の融合、異なった種類の人々の融合を象徴しています。

他方、この国旗と間違えてしまいそうなのが、コートジボアール。この呼び方はこの国の公用語であるフランス語の表記ですが、英語ではアイボリーコースト、象牙海岸という意味の国名です。象牙がこのあたりからたくさん輸出されたことからそう呼ばれるようになったのです。

もっとも今では、ワシントン条約で、象牙の取引は厳しく制限されています。ワシントン条約というのは、正式には「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」というのですが、1973年、アメリカの首都ワシントンで採択されたことから簡単に「ワシントン条約」といわれているものです。この条約は、国際取引によって生存を脅かされているか、または、絶滅してしまう恐れのある野生動植物を保護することを目的とした条約で、1980年に加盟した日本をはじめ世界の約170カ国が加盟しています。

それはさておき、コートジボアールの国旗は独立直前の1959年に採用されました。

オレンジ色は北部のサバンナ地方の草原、国民の明朗性、繁栄を表わし、白は清純さと平和、国民の団結を、緑は将来への希望と豊かな原始林を表わしているものです。

また、3色が一体となって、結合、秩序、そして労働によるダイナミックな若さを表現していると説明されています。

つまり2つの国の国旗は確かにフランス三色旗の影響を受けていますが、それ以上の共通性はないということです。

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