日本大使の公用車走行中に国旗を奪われる

大使の車は2012年8月27日の夕方、丹羽宇一郎・駐中国大使を乗せた公用車が北京の環状道路を走行中に、何者かの意識的急停車にあい、車に掲げていた国旗「日の丸」が奪われる事件が発生した。尖閣諸島をめぐって日中関係が冷え込むなかであり、ここは報復的な日本人の対応がないことと、そのためにも中国が厳正な対応をしてくれることを期待したい。


国旗「日の丸」が奪われた状況を説明する図(写真はいずれもNHKテレビから)

駐中国大使の移動に当たっては警察庁から外務省に出向している警察官が随行している。
当然な職務ではあるが今回犯人の自動車を撮影し、克明な記録を作成したのは立派である。

当然なことだが、日本政府は中国側に厳重に抗議して捜査を求めている。ただ、計画性がなけらば大使の公用車を特定し、高級車2台も使うなど、かなり手が込んでいる今回の犯行は為し難しく、ナゾは多い事件だけに、中国当局が国際社会を納得させられるだけの厳正な捜査をし、できるだけ情報を公開してほしいものだ。

国旗を奪う際にポールが壊れたため、中国の刑法による器物損壊罪の適用を検討しているという。それによれば3年以下の懲役刑か罰金が適用される。道路を混乱させたことから、社会秩序騒乱罪なども対象となる可能性を指摘する報道もある。

ただ、中国ではこれまでの反日デモで、日系スーパーやレストランなどの窓ガラスが割られたりしたり、日本公使の車に卵をぶつけたりしても、立件されることはほとんどなかった。2010年10月に山東省であった日本とUAE(アラブ首長国連邦)のサッカーの試合で、スタジアム内の日本国旗をはがした中国人の男も罪は問わなかった。

今回も、数日間拘束したまま犯人を一応取り調べても、うやむやにしたまま逮捕・起訴をせずに釈放する可能性もなしとしまい。党大会を前に、輿論の反発を恐れるやり方を黙認しては、日本が国際社会でなめられることになる。

さらに注視して行かざるをえない。奪われた国旗が返還されたら、北京の大使室か、東京の外務大臣職務室でもしばらく掲示しておくべし。

外交官や国旗の保護については項をあらためたい。

メニュー