「龍(ドラゴン)の国」は「幸せの国」②


ブータンの国旗

清国の国旗

中国大陸では今の中華人民共和国の前に中華民国でしたが、1911年までは清(シン)国という一大帝国でした。その国旗がこれ。1636年から、辛亥革命(しんがいかくめい)の1911年まで「世界に冠(かん)たる国」の幻想(思いこみ)のもとに、今の中国大陸に翻(ひるがえ)っていたのです。幻想、そうです、龍もまた昔の“怪獣(かいじゅう)”なのですが、なんとも強そうで恐く、それでいて、どこか親しみがあるようにも思うのですが、どうかな?

ブータンがいま世界に注目されてるのはこのお二人のことだけではなく、国中が禁煙(きんえん)になっていること、つまりこの国では外でも、家の中でも、どこででも、たばこを吸ってはいけないのです。もう一つ、「国民総幸福(GNH)」というこれまでになかった尺度をかかげ、物質的、経済的な豊かさだけではなく、仏教文化や伝統的価値観、自然環境などを保持していくというバランスのとれた開発を目指して、世界から注目されているのです。ブータンでは、2005年の国勢調査で「あなたは幸福ですか」との質問に、97%が「はい」と答えたとの報道もあります。

国中全部が禁煙というのもいいですね。私が独裁者になったら、日本中を禁煙にしたいというのが夢です。それほど、私はタバコが嫌いです。「健康に悪い」と日本のタバコにも書いています。みなさん、おおきくなっても決してタバコは吸わないでくださいね。

ブータンについて心配なのは、乳幼児(にゅうようじ)死亡率がまだまだ高いことです。国連児童基金(ユニセフ=UNICEF)によると、この20年でブータンノ赤ちゃんは千人当たり91人から52人に、5歳未満の死亡率は148人から79人に改善したそうです。日本はそれぞれ2人と3人ですから、これは世界最高水準(すいじゅん)です。しかし、ブータンの問題は栄養不足。ブータンでは5歳未満(みまん)の子どもの10人に4人が栄養不良です。改善に向けて、みんなでさまざまな努力を続けています。早く改善されるといいですね。

龍を描いた国旗の国・ブータンからは、2011年11月15日 ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王が結婚したばかりのペマ王妃とともに、新婚旅行とはいえ、震災後初のわが国の国賓(こくひん)としてお越しくださいました。

お二人は、東京、京都ですごされたほか、東日本大震災の被災地を訪問されました。各地ですがすがしい印象を残され、また、技術革新と物質万能(ばんのう)のような日本社会に自分たちの生き方を再考してはいかがですか、というメッセージをやさしく発信して、問いかけてくれました。

「龍の国」からの王様は、優しさこそ「幸福の国」の源泉(げんせん)であることを示したような気がしてなりません。

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