旗、旗、旗…フランス三色旗でお祝い

これはフランス印象派の代表であり「光の画家」といわれるクロード・モネ(1840〜1926)が描いた「モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭」(オルセー美術館蔵)という絵です。

建物の窓という窓に三色旗がはためくこの光景は、この年6月30日に3回目のパリ万博の成功を記念して行われたお祭のようすを描いています。群衆のざわめきが今にも伝わってくるようなにぎわいと、自分がそのなかにいるかのような楽しさあふれる画面が印象的です。

この三色旗はパリ市がよびかけて掲揚されたものですが、モネはこの情景を2か所で描いています。どちらも労働者階級が住む街でした。この作品はパリの中央市場があったマレ地区のモントルグイユ街で、建物の上から通りの北方向に目をやり、モネらしい手早くやや荒々しく大胆な筆致で表現しています。間近で見ると絵の具の厚重ねにしか見えませんが、 離れてみると旗がゆらめき、群衆が嬉しそうに歩くように見えるから不思議です。

モネの同じような作品に「サン=ドニ街、1878年6月30日の祝日」があります。画面右中央の三色旗の白の部分に「VIVE LA FLANCE(フランス万歳」と記されています。

ナポレオン三世によるフランス第二帝政は、1870年9月初めからの、プロイセンを中心とするドイツ軍との戦争(普仏戦争)に敗れました。その結果、高額の賠償金を支払わされ、東に帝政ドイツと言う巨大な統一国家が誕生することになりまし。そして、パリでは続くパリ・コミューンと呼ばれる政治的な混乱のあと、街の中で市民が群がることが禁じられていました。ですから、久々に迎えたこの祝日は特に盛り上がったのでした。

フランス国民のなかに新たな愛国心が沸き起こったのもこの時でした。

フランスの国旗は「トリコロール(三色旗)」と呼ばれ、1789年のフランス革命のときにできた国旗です。1815年のブルボン王朝の復活で、ふたたび白い旗になりましたが、から1830年の「七月革命」で復活し、今日まで続いています。三色はこの革命の精神である「自由、平等、博愛」を表しています。

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