太陽がいっぱい②

まことに自己本位ですが、①マプート(モザンビーク)、②慶州(韓国)、③ナホトカ(ロシア)、④クイニョン(ベトナム)、⑤モンバサ(ケニア)…から見た日の出が一番きれいでした。国内では沖縄や小笠原からのもよかったし、北方領土の国後島、千葉県の銚子からもきれいでした。

①と⑤はインド洋から昇る太陽です。②と③は日本海から昇る太陽。④は南シナ海からです。


金星の太陽面通過

昇る太陽は、聖徳太子の書簡に「日いづる国」とある日本、世界で最初に日の出を迎えるキリバスなどの国旗に登場しますが、太陽そのものはほかにも台湾(中華民国)、フィリピン、バングラデシュ、ネパール、ルワンダ、ナミビア、ニジェール、マラウイ、エクアドル、ボリビア、アルゼンチン、ウルグアイなど結構多くの国旗に見られます。今年は5月21日の金環日食、6月8日の金星の太陽面通過(日緬通過)など、太陽を巡って話題の多い年のようです。


聖徳太子(厩戸皇子)

ついでに、沈む太陽ですごいと思ったのは、①マニラ(フィリピン)、②コックスバザール(バングラデシュ)、③マラッカ(マレーシア)、④ナポリ(イタリア)、⑤サンクトペルブルク(ロシア)…

①は南シナ海、②はベンガル湾、③はマラッカ海峡、④は地中海…。コックスバザール周辺は世界最長120キロもの超「ロングビーチ」の続くところです、ナポリはカプリ島を目前に臨むところで、明治の人が「青巌洞」と名付け、アンデルセンの出世作となった恋愛小説『即興詩人』の舞台にもなりました。森鴎外は、「琅玕洞」(ろうかんどう、琅玕は、翡翠のこと)と訳しました。「青の洞窟」の世にも不思議な美しい色に魅せられた日の夜のことでしたが、いい夕焼けでした。

神戸、香港と並んで「世界3大夜景」といわれたナポリですが、あれ以来、「イタリア人の言うこと」はまり信用しないようになったのかも。映画「哀愁」舞台になった香港はもとより、函館山や神戸の六甲山からの夜景ほうがよっぽどきれいです。

サンクトペテルブルクがまだレニングラードと言っていた1968年の夏でしたが、船でフィンランド湾を西行した時でした。夜の11時過ぎに少し陽が沈みましたが、甲板で新聞が読めました。そして午前2時には夜が開けていました。


キリバスの国旗

ところで、日の出を描いた国旗はたくさんあります。「日の丸」の国旗も世界からは「日の出の旗 Rising Sun Flag」と呼ばれています。

「世界で最初に夜明けを迎える国」キリバスはその代表でしょう。しかし、日没を描いた国旗はありません。やはり国の勢いを国旗に託したいということでしょうか。沈む太陽を、「砂浜の砂に腹ばい初恋の痛みを遠く思」(啄木の「初恋」)いながら見るなんていうのもいいんでしょうが。

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