国旗に描かれた植物① – 国連旗とオリーブ

北極を中心として描かれた南緯60°までの正距方位図法の世界地図とそれを囲む平和の象徴・オリーブの葉である。
これは、国際連合が全世界の平和を目的として活動する組織であることを示したもの。
1947年10月20日、第2回国連総会で採択。

国旗には太陽や月、星といった天体やいろいろな動植物が登場します。
ここでは、どんな植物が描かれているかを列挙してみましょう。

まずは、国連旗。いうまでもなく平和の象徴オリーブです。『旧約聖書』の創世記「ノアの方舟 Noah’s Ark」の話に由来するのは言うまでもありません。まずはその話から。

神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、これを洪水で滅ぼすと「神と共に歩んだ正しい人」であったノアに告げ、ノアに箱舟の建設を命じた。

箱舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。箱舟の内と外は木のヤニで塗られた。ノアは箱舟を完成させると、家族とその妻子、すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくした。水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。その後、箱舟はアララト山の上にとまった。

40日のあと、ノアは鴉を放ったが、とまるところがなく帰ってきた。さらに鳩を放したが、同じように戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。

ノアは水が引いたことを知り、家族と動物たちと共に箱舟を出た。そこに祭壇を築いて、焼き尽くす献げ物を神に捧げた。神はこれに対して、ノアとその息子たちを祝福し、ノアとその息子たちと後の子孫たち、そして地上の全ての肉なるものに対し、全ての生きとし生ける物を絶滅させてしまうような大洪水は、決して起こさない事を契約した。神はその契約の証として、空に虹をかけた。

アララトArarat山(5,165m)の山頂は現在、トルコ国内にあります。しかし、アルメニアは自国の領土だとしてソ連時代も今も、同国の国章の中央にはアララト山が描かれ、アルメニア特産のコニャック・アルマニャックの最高級品の名は「アララト」と名づけられているのです。

先般、こんなニュースがAFPから、世界に飛び回りました。

2010年4月27日、探検チーム「Noah’s Ark Ministries International」が、トルコのアララト山頂付近の標高およそ4000メートル地点で木造構造物を発見、その構造物はいくつかの部屋らしきものに分かれていたとのことです。標高3500メートル以上で人の住まいが発見されたことは過去にないことから、発見した人たちは、普通の住居の残骸などではあり得ないと結論づけました。

発見したと発表された「ノアの方舟」
アララト山
アルメニアの現在の国章
アルメニアのソ連時代の国章。
どちらにもアララト山が描かれているが、現在、それはトルコの領土なのです。

何はともあれ、国連の使命はその旗が示すように、世界の平和です。そして『旧約聖書』を聖典として信奉しない国々も、この旗のデザインにクレームをつけたという話はありません。

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