尖閣諸島の領有権と国旗

いつもは「です」調ですが、以下は、拓殖大学海外情勢研究所の論文集に掲載した論文をベースにしているので、「である」調で記述していることを、最初にお断りしたいと思います。

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尖閣諸島については、日本が実効支配しているにも関わらず、中華民国(以下、台湾)と中華人民共和国(以下、中国)が領有権を主張している。筆者は尖閣列島がわが国固有の領土であると断言するが、小論は、同諸島そのものの帰属を論ずる場ではないので、同諸島での国旗の掲揚と領有権の誇示に限定して若干論じてみたい。

戦後、尖閣列島は米軍による射爆場などとして利用されてきたが、中国や台湾からは何の苦情もなかった。

1969年5月、琉球政府の命により石垣市が尖閣諸島の魚釣島に同市の区域であることを明示した標杭を設置した。これは前年10月12日から翌月29日まで、日本、台湾、大韓民国の海洋専門家が国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の下に東シナ海一帯を学術調査した結果、「東シナ海の大陸棚には、石油資源が埋蔵されている可能性がある」との指摘がなされたことに基づき、紛争を防止するための手段の1つとして、日本政府が琉球政府に働きかけた結果であった。

調査は1969年から翌年にかけても実施され、推定1095億バレルという巨大な石油埋蔵量の可能性が報告され、この水域がにわかに国際的な注目を集めた。台湾はガルフ社に周辺海域の石油採掘権を与え、同諸島に「青天白日満地紅旗(以下、青天白日旗)」を掲揚し、その写真を各国に配信した。日本政府がこれに抗議したのが、同諸島と国旗を巡る最初のトラブルである。

琉球政府はその後、警備を強化し、外国船の接近にあたっては退去を命ずる等を実施していた。そうした中にあって、台湾側は警備網をかいくぐって同島に侵入し、同国の国旗である「青天白日旗」を掲揚した。実際の掲揚日時は不明だが、当時のメディアに報じられた国旗の損傷状況から推察するに1970年夏以降ではないかと思われる。同年9月には琉球政府が「青天白日旗」を撤去し、これを米国側に引き渡した。

1971年6月に台湾政府が領有権を主張し、同年12月には中国政府もまた領有権を主張した。戦前においては埼玉県に本籍を置く古賀家が漁獲、水産加工、アホウドリの採取などの事業を行い、戦後の一時期まで事業を継続し、また、その後は沖縄全体を占領していた米軍が射爆場として使用するなどしていたが、台湾や中国からの抗議は一度もなかった。

1978年5月11日、「大日本赤誠会」のメンバーが魚釣島に強行上陸し、戦後初めて、同島に日章旗(「日の丸」)を掲揚した。同年8月12日、政治団体「日本青年社」が魚釣島に灯台を建設、「日の丸」を掲げた。その後、灯台は厳しい気候に対応できず崩壊したと見られている。しかし、同政治団体は、1996年再びこれを建設し、その一部に「日の丸」を描き、日本政府に対し海図への記載を求め、実行された。

1996年10月、台湾と香港の活動家等が提携し、小型船41隻に分乗して尖閣諸島周辺の領海内に侵入、内4人が魚釣島に上陸し、「青天白日旗」を振りかざすなどをした。

一方、1997年5月6日、新進党(当時)所属の西村眞悟衆議院議員が国会議員として初めて魚釣島に上陸し、「日の丸」を振りかざした。その直後に「青天白日旗」を掲げる30隻の台湾抗議船が周辺水域に接近、海上保安庁(以下、海保)の警告を無視して、内3隻が日本の領海内に侵入した。

1998年6月には、再び香港と台湾から計6隻の抗議船が同諸島周辺の領海に接近した。海保が厳重に警備する中、香港からの抗議船「釣魚台号」ほか1隻が領海内に侵入、同船から降ろされたゴムボートが魚釣島に向かいさらに接近するも、海保によって排除された。その際、釣魚台号が理由不明のまま浸水し、乗員は僚船および海保の巡視船に救助されたが、同号の船体は日本側が応急的漏水防止措置を施したもののかなわず、沈没し、乗組員は全員、海保によって救助された。

2001年5月、今度は「建国義勇軍」と名乗る日本の「日本人の会」のメンバーが同島に上陸、「日の丸」を振りかざすなどした。

2004年3月24日、中国人活動家7名がまたも海保警備陣の隙を突き魚釣島に上陸した。海保は沖縄県警察本部と協力、出入国管理並びに難民認定法違反の疑いで現行犯逮捕した。

さらに、2007年10月28日、中国の「保釣行動委員会」なる団体に属する抗議船が尖閣諸島の領海に侵入、海保の警告で退出した。

こうしたトラブルは基本的に一部の民間有志の行動に過ぎなかったが、2008年12月8日には、中国の国家機関である海洋局所属の海洋調査船2隻が尖閣諸島付近の領海内に侵入し、これを当然の行為であると説明した。

こうした行為が行われる場合、尖閣諸島の領有を示威する手段としていずれの側も国旗を用いている。

2010年9月7日午前、尖閣諸島付近の日本の領海で操業中の中国漁船が、「日の丸」を掲げ、違法操業取り締まり実施中の海保の巡視船「みずき」と「よなくに」に衝突し、2隻を破損させる事件が起こった。海保はこの漁船の船長を公務執行妨害で逮捕し、石垣島へ連行、船長を除く他の船員もそのまま漁船で石垣港へ回航、取調べと事情聴取を行った。

これに対し、中国政府は「尖閣諸島は中国固有の領土」という主張で、丹羽宇一郎駐中大使を深夜に呼び出し、日本側の措置に強硬に抗議、船長・船員の即時釈放を要求した。これを受けて13日に那覇地検は政府と調整しながら船長以外の船員を中国に帰国させ、漁船も中国側に返還した。

しかし、船長に関しては起訴する方針を固め、19日に勾留延長を決定した。これに対して中国側は強く反発、藤田組職員等在中日本人(複数)を逮捕する等様々な報復措置を実行した。ここで、那覇地検は船長を処分保留で釈放すると発表、その決定を仙谷由人官房長官が容認した。25日朝、中国側のチャーター機で、船長は石垣空港から中国へと送還された。

事件から約3週間を経た11月1日、非公開となっていた漁船衝突時の動画が、那覇地検によって7分弱に編集された上で、衆参予算委員会所属の一部の議員に対してのみ公開された。これに対し、11月4日、「sengoku38」こと一色正春氏によって漁船衝突時に海上保安官が撮影していた44分間の動画がYou Tube上に流出した。

一色氏は海保を辞職し、上京して記者会見をしようとしたが、会場を提供するところがなく、主催した自由報道協会の上杉 隆会長の要請により、私が会場の世話をした。日本は官民、メディアを問わず、中国に対して常に腰が引けている態度なのは情けない。

「日の丸」を掲げて堂々と取締りをするならば、容疑者については、毅然とした態度で取調べを行い、最大限情報を公開した上、対処すべきであると考える。

  • なおみん

    尖閣問題は、沖縄と台湾が合併独立したら解決では。国旗は、青天白日旗の中身が、かりゆし会から星3つ抜いた濃青、薄青にあるもので、政治的な首都は石垣です。尖閣を巡って日中が衝突しても、中国がロシアを連れてくることになるアメリカは呼ばず、日中で戦って、最後に台湾が青天白日旗を立て、アメリカが日中の間を取り持って沖縄と台湾の合併独立に運ぶのです。沖縄近海のレアメタルも、台湾となら自国利用できます。

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