信号機と同じ国旗の物語


1960年の独立当初から、61年3月までのマリの国旗

1960年の独立当初から、75年までのカメルーンの国旗

カメルーン。1960年の独立当初から75年までは緑の帯に黄色の星が縦に2つ付いていました。旧英仏両国の支配下にあった地域の連邦だったのが、75年に単一の共和国になったため、中央に1つの星のデザインに変更したのです。

みなさん、交通信号の3色は左から(または縦に配列されている場合は上から)どんな順番でしょう?

横浜市青葉区の小学4年生Sさんからメールがきました。「こうつうしんごう(交通信号)と同じ色の国旗はマリだけですか?」。

私がはじめて、メールをつかったのは今から10年前、還暦(かんれき)のころ。4年生とは年齢(ねんれい)で50もちがっているわけですから、この50年、人類はずいぶん進歩したなぁ、という印象(いんしょう)です。でも、私も世界の国旗に大いに関心を持ち始めたのは10歳のころですから、この点は胸(むね)を張(は)れるかな。でも当時は、国の数(かず)が今の3分の1もなかったですから、やはり人類は確実(かくじつ)に進歩(しんぽ)しているということかも。(以上の文章はややこしいので保護者の方、説明してあげてください。)

Sさん、あなたはマリの国旗を知ってるんですね。みどり・きいろ・あかですね。マリの国旗はその3色をたてにならべたものですね。

こうつうしんごうもひだりから、あお・きいろ・あか。たてになっている信号機の場合は、上からもその順番です。

でも、あおしんごうといっても、空の青さや各国の国旗に出てくる青とも違いますね。むしろ、みどりに近い色でしょう。むかしはもっとみどりでしたが、これでもだいぶあおみがかるように、変えてきたのです。

もし、青(あお)、黄色(きいろ)、赤(あか)でしたら、どこの国旗でしょう?
なんと2つの国旗がこの配色で、紋章(もんしょう)が付いていますが、基本的に同じ配色の国旗がもう2つあるのです。探してみてください。

もっとも、日本人はむかしからみどりをあおというのがふつうでした。有名な俳句(はいく)を2つしょうかいしましょう。この句のように、青葉(あおば)は、新緑(しんりょく)のことだったのです。

あらたうと 青葉若葉の日の光

松尾芭蕉(まつおばしょう 1644~94)の『奥の細道』で日光を訪問した時の句。
「あらたうと」は「ああとおといいことだ」という意味です。

目に青葉 山郭公 初鰹

「めにあおば やまほととぎす はつがつお」と読みます。江戸時代の俳人(はいじん=俳句をよむ人)、山口素堂(やまぐちそどう1642~1716)の俳句で、正しくには、「目には青葉 山郭公 初松魚(はつがつお)」です。しかし、「目には青葉」では字余り(じあまり)で語呂(ごろ)が悪いので「目に青葉」となって、語呂よく広まったようです。また、「郭公」は、本来(平安時代以降)は「ほととぎす」なんですが、現在は「かっこう」と読むのがふつうです。ちなみに今、ほととぎすは不如帰、杜鵑、時鳥などと書きます。

素堂のほうが2歳ほど年長ですが、二人は江戸でよくお付き合いをしていたそうです。

そういえば、Sさんが住んでいる「青葉区」、まえはたしか「みどり区」といっていたところでしたね。みどりと青はそんなふうに近い印象をあたえる色なんですね。

ところで、ここでクイズ。

「信号が青にならないうちに渡らなければきけんではありません」

これは正しいでしょうか?
また、あなたならもっとわかりやすく、どういいますか?


与謝蕪村が描いた松尾芭蕉
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