南スーダンへ陸自本体が出発

国連平和維持活動(PKO)にあたるため、陸上自衛隊の主力部隊120人が羽田空港からチャーター機で南スーダンへ出発しました。

20日に首都ジュバに到着し、宿営地整備などの活動を本格化させる任務です。
1次隊は主に宿営地づくりなど活動の基盤整備にあたり、5月ごろには2次隊約330人に引き継ぐ予定。2次隊は道路補修などの活動を本格化させる計画です。


スーダン。アラブ・イスラム諸国に共通の4色のデザイン。この国がアラブの一員であることをしめしているものです。

南スーダン。黒、白、赤、緑の4色の組合わせはケニアやマラウイの国旗にも見られるもので、「世界黒人開発協会アフリカ社会連合(UNIA-ACL)」の旗に由来するもので、この国が他のアフリカ諸国と連帯する姿勢をはっきりと示したものです。

スーダンは日本の6倍もあるというアフリカで一番面積の広い国でしたが、アラブ系の血も入っている北部イスラム世界と、イギリスの宣教師等が奥地に入って布教したことから南部のキリスト教社会では、早くから摩擦、差別、対立が起こり、近年では流血の騒ぎからついには大量虐殺へとなり、100万人もの命が失われる事態となりました。昨2011年1月の住民投票を経て、南スーダンは7月にスーダンから分離独立し、新たに193番目の国連加盟国となったのでした。

典型的なイスラム・アラブの国旗であるスーダン、イスラム諸国の国旗にはまず登場しない青が大きく加わっている南スーダン。両国の関係はこれからも難しそうです。

ところで、スーダン地方では宗教的な対立に加え、豊富な地下資源が南スーダンに眠っていることが明らかになり、石油の争奪戦が続いているのです。最近では、国を挙げての進出を図っている中国マネーが欧米を圧倒しつつあるようです(2012年2月20日付 朝日新聞)。

中国は経済成長と人口増加で増大する石油需要をまかなうため、資源獲得外交で他国を圧倒しています。進出した中国系企業は現地に雇用をもたらし、中国の存在感を高めています。国連平和維持活動(PKO)に参加した日本ですが、中国に押され、存在感は薄いようです。

アフリカ東北部を流れるナイル川に架かるジュバ橋。南スーダンの“建国特需”にあやかろうとするウガンダ人やケニア人が長距離バスに乗り、この橋を渡って首都ジュバに入ります。

中国は南スーダンにとって最大の貿易相手国。ジュバ市内を見渡すと、中国系の石油関連企業や中華料理店が目立ちます。地元のスーパーは中国製の日用品であふれ、ジュバ空港に降り立つ東洋人は中国人が多いです。

「ジュバにある政府庁舎の建設費をすべて中国政府が肩代わりした」(日本政府関係者)ともいわれています。

国庫収入の98%を石油に依存するといわれる南スーダンは、これまで全量をスーダン経由のパイプラインで輸出してきました。でも、使用料をめぐりスーダンと対立。スーダンが石油を抜き取っていることも発覚しました。対抗措置として南スーダンは、スーダンを経由せずケニアとジブチに抜けるパイプラインの建設計画を発表したのです。

日本政府も参画に向け研究を進めていますが、中国系企業が資金難の南スーダン政府に協力することで受注を狙っているとみられています。

ただ、中国もここにきて南北スーダンの対立のあおりを受けています。1月下旬にはスーダン側で南スーダン与党、スーダン人民解放運動(SPLM)と関係があるとみられる武装勢力によって29人が拉致される事件が起きました。解放されたものの「南北スーダンの間で中国も対応に苦慮している」(先の日本政府関係者)ということです。

その一方で、共同通信(2012年2月9日)などの伝えるところによれば、南スーダンでは数百万人に飢餓の恐れがあるそうです。

国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)は、南スーダンで今年、数百万人が飢餓に陥る恐れがあるとする報告書を発表しました。戦乱と旱魃が続くためによる穀物生産量の減少や食料価格高騰などの影響によるもので、WFPの担当者は「危機が急速に迫っている」と警鐘を鳴らしています。

両機関は昨年10~11月に共同調査を実施。その結果、南スーダンで今年、食料が足りない人は昨年の330万人から470万人に増加すると判明。うち100万人が深刻な食料不足に直面するとし、紛争が続けばその数は倍増する恐れがあると警告しています。

自衛隊を含む国連PKO、毎日40度にも達するという貴校の中で、何とか成功することを祈りたいと思います。

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