マオリ族のシンボルが全NZの国旗になるかも


現在のニュージーランドの国旗。
右側は南十字星。

「シルバー・ファーン」がNZの国旗になるかも。

ニュージーランドで英国色の強い国旗を変更しようという動きが続いている。

2006年に行われた国勢調査では、国民の約68%が欧州系白人で、次いでマオリ族と呼ばれる先住民族の約15%(約8万人)。

興味深いのは3番目。2006年の国勢調査から新しいカテゴリに加えられた「自らをニュージーランド人」と認識する人々で約12.9%。民族を超えた国民的融和を図ろうと努めている一環からの国旗の変更の検討と思われる。

マオリ族は独自の文化を伝承している。あいさつとして互いの鼻をくっつけ合うことはつとに知られているが、刺青を顔面のみならずしばしば全身に施すことで、近年、日本の温泉で入浴を拒否されるという「事件」も起こったことがある。

ハカと呼ぶ民族舞踊はマオリ族の戦士が戦いの前に踊るものだが、近年は、観光用を含めて歓迎の挨拶としてもハカを踊る。ラグビーのナショナルチーム「オールブラックス」が試合前にハカを踊ることで世界によく知られている。

マオリ族には「王(女王)」がいる。現在はツヘイティア・パキ1世(在位2006年~)であるが、法的な権力は皆無だが、マオリ社会では高い権威を持つ存在として欧州系の国民にも一目置かれている存在だ。ちなみにこの王様、2007年2月から3月にかけて、東京国立博物館で開催された「マーオリ:楽園の神々」展に合わせて来日、天皇皇后両陛下とお会いした。


マオリ族の旗

マオリ族の血を引く、おそらく最も有名な人物は世界的なソプラノ歌手キリ・テ・カナワ(1944~)。我が家にも何枚かのCDがあるはずだ。キリ・テ・カナワ基金を設立し、ニュージーランド人の演奏家の育成を支援していうることでも知られている。

ところで、「シルバー・ファーン」には、マオリ族の兵士が暗闇で行動するとき、この葉を裏返して針路を示すという話がある。裏は明るい銀色で、月光で見えるので、これを先頭の兵士が置き、最後の兵士が表返しすることにより、後をつけられないようにするのだとか。

NZの欧州系の人たちも「シルバー・ファーン」に魅かれるのは、マオリの文化にそれなりの畏敬の念を持っていること、独自色を出したいこと、民族的融和の象徴としたいことなどさまざまな思いがあってのことであろうか。

キー首相の年内にでも国旗を変更という思惑は、必ずしも見通しが立っているわけではなさそうだが、小欄としては、ここ当分、NZの動向は目を離せないものになってきている。

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