どうなるウクライナ、統一維持は可能か

ソチ五輪終了とともに、隣接するウクライナが国家的激動となった。西の親EUの農業地帯と東の親露の工業地帯の基本路線は大きく異なっているが、加えて、クリミア半島の帰趨が大きく、これを口実にロシアが武力介入する可能性さえ全面否定はできまい。


麦畑を蓋う青い空、ウクライナの国旗は個人的に私が一番好きな国旗の1つ。
「世界一受けたい授業」(日本TV)や「Night in Night」(朝日放送)などの番組でも、私はそう話しただけに、この国の行く末が気になる。

問題の究極は、統一国家が維持できるのかという事態になりつつある。それに比べれば、負債をどうするのかは第2の、乃至は大問題とはいえ、付属するテーマに過ぎない。

日本の報道各社も首都キエフや東の“首都”ハリコフに入り、次々に報告を送ってきているようだ。以下は、日経新聞の田中孝幸特派員のハリコフからのレポートだ。

親欧米派による政変でヤヌコビッチ政権が崩壊したウクライナの南部クリミア半島で、親ロシア派が新政権づくりに反発する動きが広がっている。ロシア系住民の多い中心都市セバストポリではトゥルチノフ大統領代行の正統性を認めない住民が市庁舎を掌握。クリミアの議会は抗議決議を採択した。新体制の対応によっては欧ロ間の外交問題に発展する可能性もある。

親欧米派はすでに大半の地方行政機関を管理下に置いており、来週中に各地の知事・市長を交代させる方針。だが、ロシア系住民が多数を占めるクリミア半島では反発する動きが広がっており、タス通信などによるとクリミア自治共和国議会は25日、「従属を求める新政権の圧力と脅迫」への抗議決議を採択した。

黒海沿岸のセバストポリでは23日、新体制に抗議するロシア系住民による2万人規模のデモが発生した。デモ隊は24日には市のトップをロシアと太いパイプを持つ企業家に交代させたと宣言。中央政府の実力行使に備え、地元警察当局の支持も取り付けた。

危機感を強めたトゥルチノフ大統領代行は25日、緊急の安全保障会議を招集。クリミア情勢への「深刻な懸念」を表明したうえで、分離独立運動の指導者を徹底的に取り締まる方針を決めた。

ただ、クリミア半島はロシア黒海艦隊が基地を置く戦略的要衝であるだけに、これから発足する新政権が強硬策に踏み切ればロシアの介入を招く可能性もある。ロシアのラブロフ外相はウクライナへの内政不干渉の立場を示すが、政権内では分離独立運動への支持も拡大。ロシア下院独立国家共同体委員会のスルツキー委員長は25日、クリミアのロシア系住民に対し「(政府から)近く十分な支援措置が用意される」と語った。

欧米各国はロシアの動向に神経をとがらせている。すでにライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)がロシアの軍事介入について「重大な過ちになる」とけん制。25日には欧州安全保障協力機構のツァニエル事務総長がウクライナ問題の協議のため急きょモスクワ入りした。

ここで呼び起こすべきは、クリミア半島はソ連時代にフルシチョフがウクライナに引き渡した地域だということ。もともとドイツ系の住民が多かったものを対独戦争のさなかに内陸に強制移住したり、混乱した歴史がある。

確かにセバストポリは今もロシア黒海艦隊の拠点であり、歴史的にはクリミア戦争時代(1853~56)の決戦場であり、レフ・トルストイも一士官としてここに従軍し、作品を遺している、などロシアにとっては絶対に影響力をうしないたくない要衝だ。

私が主宰するユーラシア21研究所では3月10日に専門家を招き内々の研究会を開催する。公開できる部分はご報告したい。

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