天皇旗や菊の御紋章の使用例① 御料車

陛下という言葉は、天皇、皇后またはかつて皇后であった方(皇太后、大皇太后など)にのみ付く尊称である。そうした陛下がご乗車になる車両を御料車という。現在で言うなら、天皇皇后両陛下がご乗用になる車両のこと。


十六弁八重の菊花表紋は天皇家のご紋章

天皇旗を前面中央に立てたご料車

皇室専用の「皇ナンバー」のものと「品川ナンバー」のものがある。公的なお出ましには「皇ナンバー」,その他のお出ましには「品川ナンバー」の御料車をお使いになると宮内庁のHPにはある。

2006(平成18)年から導入したニッサンのセンチュリーロイヤルは,陪乗席を備えた8人乗りの大型車で,国会開会式,全国戦没者追悼式及び国賓接遇などの際に限定的にご使用になっておられる。

ただ、ウィキペディアに出ているこの写真では、車両ナンバーが少なくとも前部にはないようだ。

難民を助ける会の30周年には両陛下にお越しいただき、昨年から今年にかけて何度か皇后陛下のお出ましをいただき、その都度、玄関までお迎えする光栄に恵まれたが、緊張していたのか、車種まして車両番号などには到底、目が行かなかった。次回、機会があったら、よ~く拝見してみたい。

天皇陛下の御料車には天皇旗が先端中央部に取り付けられ、その真下のバンパーの上に菊の御紋章が付く。十六弁八重の菊花である。

私にはまたまた告白しなくてはいけない失敗がある。確か10数年前のことだったが、吹上御所で拝謁する時刻に遅れそうになり、辰巳門から皇居の中をかなりのスピードで吹上御所に向かったことがある。ところが、御所の近くで、前をもたもた(失礼!)走行している3人が乗った普通の乗用車がある。そこで思わず出た私の悪癖。警笛を鳴らしたのだ。

運転していたのはなんと天皇陛下。10分後、御所で平身低頭したのはもちろんである。まさか、「天皇旗を付けてください」とか、「菊のご紋章の付いた車両で運転の練習をしてほしい」というわけにもゆかず、ただ、「先ほどはとんだ失礼を」と申し上げるのみだった。

陛下は皇太子時代、御所から迎賓館までエリザベス女王を乗せて運転したことがあるという話をいつかの「文藝春秋」で読んだことがある。その時は、皇太子旗を立てたのだろうか。お付の人たちはどうしたのだろうか。

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