安倍首相のアフリカ歴訪に期待する

安倍晋三首相が今度はアフリカ3国を歴訪している。「毎月1回は海外と東日本大震災の被災地へという、政権発足以来の決意」(谷口智彦内閣参事官)は確実に実行され、成果を挙げている。今回もスポーツ交流の話ばかりではなく、国連改革、資源の安定的確保など総合的なアフリカとの連携向上にとって、大いに聖火が期待できそうだ。

今回はコートジボワアール、モザンビーク、エチオピアの3国だ。西アフリカの旧仏領諸国の中心にあるコートジボワール、豊富な資源を持つモザンビーク、AU(アフリカ連合)の本部があるエチオピアという選択がいい。中国がはらはらして要人を送るというのもムベなるかなである。

「アフリカの飢餓」が叫ばれた1984年、私は時の安倍晋太郎外相に「これからのアフリカはかならずや重要な地域になる。日本の外相として初のアフリカ公式訪問を」と提案、快諾してくれた同外相はザンビア、モザンビーク、エチオピアを歴訪した。ナイロビでの国際会議には佐藤内閣のころに木村俊夫外相が参加したことがあるが、単独で日本の外務大臣がアフリカの国を訪問するという例はそれまではなかった。

その時「キミは随員として同行してくれるか」と言われたので、一部は先行して準備、一部は同行した。先行したザンビアでは時差のため眠れないという外相と4時間半もホテルで談笑した。同席したのはT大使のみ。はるかに年長でご尊敬申し上げてきたT大使にウィスキーの水割りや焼酎のお湯割りを作っていただきながら、内政・外政、政局の話で盛り上がったが、<陛下(昭和天皇)の前で、上がってしまい、元皇族の賀陽(かや)大使の消息を訊かれ、茅(かや)誠司前東大総長と勘違いして「ただ今、小さな親切運動をしておられます」と答え、あとから気づいて真っ赤になった>という逸話は、いつ思い出してもほほえましい。

その懇談の中で、「明日、カウンダ大統領と会談するが何かいい話題はないか」と聞かれたので、①協力隊がザンビアの各地で特に学校教育の分野でいい成果を挙げつつある、という話と、②難民を助ける会がメヘバ難民居住地(アンゴラなどからの難民数万人の仮の定住地)での活動を展開するにあたり、内務省との契約交渉が半年経っても進捗しないので、「天の声」を期待する、この2つを話題にしてほしいとお願いした。②の交渉はそれから数日後、急転直下、まとまった。爾来、難民を助ける会は30年間、ザンビアでさまざまな救援・支援活動を展開している。

次の訪問国モザンビークでは、難民キャンプを訪ねた。大きな樹木の下での野外教室やテント張の診療所などを視察したのはいいが、外務省のスタッフが飢餓のため余命いくばくもない幼児を探し、同外相がその子を抱えるという写真がメディアに載った。あれではまるで難民キャンプ中にああいう子供がいるように誤解される。いまでもいささかやり過ぎだったように思う。

それはさておき、先日、社団法人協力隊を育てる会(足立房夫会長)の会合に久しぶりに参加する機会があった。私は創立以来、30年余、理事、常任理事、広報委員長などの任にあったし、青年海外協力隊をはじめ、国際NGOの活動を広く国民に知ってもらうためにはこういう祖鋤の役割が大きいと確信している。ところで、その会場に掲示されていたのがこの旗。「育てる会」の団体協力なのだが、私にはどうしてもコートジボアールの国旗の印象が強い。この旗ではコーとジボワールとなにか特別のかかわりがあるような誤解を生みはしないかと思ってしまう。

日本人のアフリカへの関心や理解はまだまだ不足である。安倍現首相の歴訪が、アフリカ諸国との絆の強化に大きく役立つことを期待する。

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