中国の探査機、月面着陸

中国国営の新華社通信が伝えるところによると、12月2日に打ち上げられ中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)3号」が14日夜に月面軟着陸に成功し、15日午前4時35分(日本時間同5時35分)、搭載している探査車「玉兎(ぎょくと)号」を月面に降ろした。玉兎号は今後約3カ月間、着陸地域を自走しながら地質構造や資源の調査などに当たる。


中国の国旗

他のメディアの情報を総合すると、「嫦娥」は月に住む伝説上の仙女の名前、また、「玉兎」は月にすむウサギの意味であり、習近平指導部は嫦娥3号が搭載する無人探査車の名称を公募して決めるなど、国民の支持強化につなげたい思惑もあるとみられるということだ。しかし、格差社会を抱える国内には、宇宙開発には莫大な費用がかかるので、これを貧困対策に回すべきだとの意見も強いという。

17日の報道では、機体に描かれた国旗「五星紅旗」も映っており、習近平政権は中国による史上3番目に月面到達を達成した国であることを内外にアピールしたい考えだ。何はともあれ、それだけの科学技術を会得した中国の技術陣に祝意を送りたい。

着陸後、機器のチェックが行われ、地球から着陸機と玉兎号の分離を指令。玉兎号は月面に架けられたレールに沿い、陸地に降りた。玉兎号は太陽電池パネルを収納した状態で長さ約1.5メートル、幅1メートル、高さ1.1メートル。6つの車輪を持つ。

また、毎日新聞(15日付電子版)によると、この月探査計画「嫦娥計画」は、他の主要宇宙プロジェクトと同様、人民解放軍主導で推進されており、科学技術の進展以上に、関連軍事技術の開発や資源採掘などを目指すものだとの推測が出ているそうだ。

中国は2003年に初の有人宇宙船「神舟(しんしゅう)5号」を打ち上げ。11年9月には宇宙ステーション建設に向けた無人実験機「天宮1号」を打ち上げるなど、主要な宇宙開発計画を次々に成功させてきた。

嫦娥計画には、探査▽有人着陸▽月面ステーション建設による滞在--の段階がある。今回の嫦娥3号は探査段階。有人着陸は25年ごろまでの実現を目指している。採取するデータなどは、将来の月面基地建設の候補地選定にも、活用されるとみられる。

月面探査の目的としては、国威発揚に加え、将来のエネルギー源として期待される核融合発電の燃料、ヘリウム3の採掘、火星への中継基地としての利用、産業への技術移転などが取りざたされる。

計画の李本正・副総指揮者は「我が国の計画はオープンで他国からの協力を歓迎する。競争が目的ではない」と述べるが、北京紙・京華時報は「月にミサイル基地を建設すれば、反撃の心配なく敵の軍事目標を攻撃できる。米国は月から地球をコントロールしたいとかなり早くから考えていた」との宇宙当局の専門家の発言を報道した。欧米メディアからは、映画「スター・ウォーズ」になぞらえて「中国は月を(巨大攻撃兵器の)デス・スターにしようとしている」との批判も出ている。

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