2候補が勝利宣言 – 治安悪化に懸念 ホンジュラス大統領選

朝日新聞ほか各紙に拠れば、中米のホンジュラスで11月24日、大統領選があり、二人の候補者がともに勝利宣言をするという混乱が起こっている。中間発表では得票率でトップの与党候補と、4年前のクーデターで失脚したセラヤ前大統領の妻も次点ながらともに勝利宣言した。同国は麻薬組織がはびこり、殺人発生率が世界最悪。選挙結果を巡る混乱で、さらに治安が悪化する心配もある。


ホンジュラスの国旗。
5つの星は、かつての中米5カ国による連邦再構築の理想を目指していることを表す。
具体的に、中央の星がホンジュラス、左上がグアテマラ、左下がエルサルバドル、右上がニカラグア、右下がコスタリカを表す。

同国の中央選挙管理委員会によると開票率54%の時点で、与党中道右派・国民党フアン・エルナンデス氏(45、国会議長を休職中)が得票率34・27%、セラヤ氏の妻で左派・リブレ党のシオマラ・カストロ氏(54)が同28・67%。ついで、選管は、開票率88・32%という28日夕の時点で、エルナンデス氏が36・55%で、カストロ氏は28・84%と発表した。カストロ氏の陣営は投開票の翌日から首都のテグシガルパで抗議行動を展開していたが、混乱は一応収まったようだ。

エルナンデス氏の大統領就任は来年1月27日、任期は4年となる。

それでも、ホンジュラスの治安は極度に悪い。同国の暴力犯罪研究所によると、殺人による死者は昨年、前年比68人増の7,172人。人口10万人あたり85・5人と世界最悪だ。今夏以降は首都でも遺体が路上に放置されたり橋からつるされたり。警察が入れない無法地帯もある。

メキシコで麻薬組織の徹底摘発が始まった2006年末以降、メキシコの麻薬組織がホンジュラスに入り込んだ。セラヤ大統領が軍事クーデターで追われるという混乱に乗じて麻薬組織が拡大し、失業中の若者らを巻き込んだ。貧困率は6割以上。警察の腐敗もあって取り締まりは進まない。

エルナンデス氏が軍警察による強硬摘発を掲げる一方、カストロ氏らは地域警察の強化を提唱している。

日本の国際協力機構(JICA)は日本の交番制度を「輸出」。「駐在さん」の訓練を受けた警官約200人が計10カ所で24時間パトロールし、住民の相談に乗る。JICAによると、殺人が減った地区もあり、自治会が費用を出して交番を建てる例も出始めた。

政治の混迷が社会の不安定化と治安の混乱を一層拡大しないかと心配される。

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