ソチ五輪の聖火、北極点に到達② 沿岸諸国の国旗に囲まれ

北極海(北氷洋、北極洋Arctic Ocean)ロシア、カナダ、デンマーク(グリーンランド、フェロー諸島)、ノルウェー、アメリカ(アラスカ州)の5カ国に囲まれている。北極点はその海の下、といっても永久的氷上にある。面白いことに、国際水路機関(IHO)は北極海を独立した大洋と認定しているが、海洋学では大西洋の一部をなす地中海と見なされるということだ。専門家は「これは北極海の海水循環が、塩分濃度差と温度差に支配され、大西洋に従属しているためである」というようだ。


デンマークアメリカロシアスウェーデンノルウェーアイスランドカナダフィンランド(左から)の北極海沿岸諸国旗に囲まれたソチ五輪の聖火。

ところで、10月に北極点に建てられた各国旗の中になぜかアイスランドの国旗がない。1996年9月の「オタワ宣言」に基づき北極評議会(Arctic Council、略称はAC)が設立されたが、その構成国はカナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン及びアメリカ合衆国8カ国(常設事務局はノルウェーのトロムソ)。

しかし、2008年にカナダ、デンマーク、ノルウェー、ロシア、アメリカ合衆国の5カ国だけで北極海会議が主催されたために、この参加5カ国と、他のAC構成3カ国の間には微妙な雰囲気があるとされている。

なお、ACには常任オブザーバーとして日本、韓国、中国、シンガポール、フランス、ドイツ、ポーランド、スペイン、オランダ、英国、インド、イタリアの12カ国が参加している。

聖火はムルマンスクを15日出発。91時間余りかけ北極点に到達した。

NHKのテレビニュースによれば、「25日に公開された映像には、北極の研究者や探検家など11人のランナーが砕氷船から聖火をリレーする姿が映されていて、氷の上では滑って転ばないよう小走りで聖火を運んでいました。また氷の上では、2頭のシロクマがじゃれあうような様子や、北極を取り囲む国々の国旗がレーザー光線で映し出され、冬のオリンピックムードを盛り上げていました」とのことだ。

タス通信などによると、8カ国の探検隊1人が砕氷船を降りて氷上を走り、各国国旗がはためく中、ロシアの極地研究の権威チリンガロフ博士が聖火台に点火した。

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