ガンビアの外交が理解できない – 今度は英連邦を離脱

アフリカで最も面積の少ない国がガンビアである。わが故郷・秋田県よりわずかに小さい約1.1万平方キロの面積に、秋田県(102万)より6割以上多い180万人ほどが暮らす。しかし、一人当たりの国内総生産はわずかに617ドル(2010年)という極貧国。日本との貿易は銀製品の総額わずか26万円に過ぎない。


ガンビアの国旗

往年は奴隷貿易で知られ、米国の黒人作家アレックス・ヘイリーの名作『ルーツ』を主人公クンテ・キンテの一族の出身地がこの国の首都バンジュルの東にあるジュフレ村であることでも知られている。

最近までは落花生の栽培(単作)がそれなりに進んでいたが、今では豊富なガンビア川の推量を生かした工業化への道を進むよう図られている。

アフリカ諸国のほとんどが政治や経済に大きな問題を抱え、教育も産業もなかなか難しいとはいえ、私には独裁的なヤヒヤ・ジャメ大統領の外交運営が到底理解できない。

ガンビアは1965年、英連邦の一員として英国女王を国家元首として独立し、70年に共和制となった。ヤヒヤ・ジャメ陸軍中尉が1994年7月に無血クーデターを越し、大統領をセネガルに亡命させた。これにより軍政となったが欧米諸国や日本の経済制裁にあい、1996年9月に、民政移管と称して選挙を行い、ジャメ大統領が当選。翌年1月に国民議会選挙を実施、正式に民政移管を果たし、複数政党制となった。


ヤヒヤ・ジャメ大統領

国家元首である大統領は強大な権力を持ち、任期は5年。再選に制限はない。首相職はなく、全閣僚は大統領が自由に任免できる。一院制の国民議会(53議席)についても48議席は国民の直接選挙だが、5議席は大統領が任命できる。野党もあることはあるが、与党・愛国再建同盟 (APRC) があり、ヤヒヤ・ジャメ大統領の下、強力な支配体制を敷いている。

ところが、この大統領、夢で先祖が告げたとされるエイズ治療薬(ハーブや香辛料から成る薬湯)を普及させたりするのはまだしも、外交となると私の古い頭にはとうてい理解できない。

パレスチナを国家承認しており、イスラエルの存在は認めない。これはヤヒヤ・ジャメ自身が厳格なムスリム信奉者で、徹底した反米・反イスラエル主義者でもあり、同様の外交路線を採るイランやシリア、ベネズエラといった国との関係を強化している。

しかし、それでいながらガンビアは中華民国(台湾)を国家として承認している国でもある。

昨今、この国が世界をいささか驚かせたのは、「ガンビアはこれからも新植民地主義の組織には加わらない」として、英連邦離脱を表明したことだ。大統領はかつて、自身と対立する野党をイギリスが支援していると非難していたこともある。

英連邦はいまや、緩やかな紐帯を活用し、互いに便宜を供与しあう程度の関係になっているが、ガンビアがそれを断つことが、アフリカと世界情勢に一層、混迷の度を深めないよう期待し、今後とも注視してゆきたい。

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