オーストラリアの国旗は当分変わらない

オーストラリアは立憲君主制・連邦制の国家であり、政府はイギリス型の議院内閣制である。この憲法により、イギリスの元首がオーストラリアの国家元首であり、その任命によるオーストラリア総督が代行を務め、その権限はほとんど儀典に関わる分野に限定される。

議会は二院制で、国が連邦制のため各州の代表から成る上院が優越する。しかし、1975年、オーストラリアで上下両院が対立することにより、予算案が議会を通らずに労働党政権が窮地に陥った。この時、エリザベス女王の代理であるオーストラリア総督が議会を解散、首相を解任した。これは憲政史上大いに論議を呼んだし、世界の政治学者が注目した。

オーストラリアには「共和制へ移行して名実共に英国から独立すべきだ」と主張するグループも活動しており、君主制の是非を問う国民投票も何度か実施されたが、毎回、僅差で否決されている。独立支持勢力は、「オーストラリアは共和国となり、英国色を排した独自の国旗を持つべきだ」として、関係団体が持つべき「新国旗」の公募を行うなどした。このコンペには多数の作品(案)が寄せられ、中には、今の国旗にある南十字星はもちろんコアラやカンガルーを図案化して描いたものもあった。

2007年に11年9か月ぶりの与野党交代があり、労働党のケビン・ラッド氏が首相に就任した。

しかし、ラッド氏とジュリア・ギラード女史を中心とする党内対立が厳しくなり、2010年6月に労働党は緊急の議員総会で71:31票でギラード副首相を新首相(オーストラリア初の女性首相)に選出した。それでも労働党内の抗争は終わらず、混迷が続き、昨年は両者の勢力がまた逆転した。

今回、2013年9月7日の総選挙を迎えた。以下は、内外のネット情報に拠る。

しかし、今回の選挙戦では過去の実績や経験を強調したラッド首相の与党・労働党に対し、変化の必要性を訴えたアボット自由党党首率いる最大野党・保守連合が支持率で優位を保ち、6年ぶりの政権交代が現実味を増している。

オンラインメディア「news.com.au」マルコム・ファー政治担当記者は労働党の政権運営について「有権者は変化を求めている。2007年の政権奪還後、ラッド、ギラード、ラッドと首相が相次いで代わり不安定だった。安定を求める有権者がアボット氏を支持している」と解説する。

ほかにも「ラッド対ギラードの争いが労働党のイメージを悪化させた」との見方は多い。さらに、「2010年の下院選で労働党は過半数を獲得できず、左派の少数政党・緑の党と手を組んだことが、一部支持者の労働党離れを招いたとの指摘もある。

党内抗争や相次ぐ主要政策の見直しなど労働党の「敵失」が保守連合の支持率上昇につながった形だ。

今回の選挙結果で見る限り、オーストラリアの政治体制は英連邦の自治領という今の形が急に変わることなく、したがって国旗の変更も当分なさそうだ。

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